『最強のふたり』

バイト先の友人と映画へ。
この友人とは結構仲がいい。
決して友人の数は少ないわけではないと自負しているが、彼はその中でも頭一つ抜きんでて賢いと思う。
なんというか、思慮深い。思考が深いタイプの賢さだと勝手に感じている。
恐らく頭の回転も速いのだろうけど、それを感じさせない落ち着いた雰囲気もまた彼の良いところである。


今日は前から観ようと言っていた『最強のふたり』を観た。フランスでは大人気の映画である。
実在する人の話で全身麻痺の大富豪とスラム街で暮らす黒人青年との掛け合いが面白い。
そこには黒人独特の、というと差別的であまり好きではないが日本人にはないユーモアがふんだんに盛り込まれている。
しかしその掛け合いの中で当初は全くの別世界で生きてきた二人が、その文化の違いに戸惑いながらも
お互いをパートナーと認め、そして新しい楽しみをお互いが共に見つけながら人生を歩んでいく。

この映画のテーマは何であろうかと考えたときに一言で言い表せなかった。
もちろん感じ方は人それぞれである事は言うまでもない。
そして恐らく推測するにこの映画のメインテーマは障害と言ったバックグラウンドを無視した
本質的な所での、人と人との触れ合いではないのだろうか、と考える。
障害を持っていること。肌の色が違うこと。そういった差別の材料に時として利用されるテーマを出しながらも
そういった物を取り払って出来る二人の関係性に非常に惹かれる映画であった事は間違いない。

しかし同時に貧困と言った格差も大きくクローズアップされているようにも感じた。
ただそういった様々な社会問題を内包しながらもストーリー自体は一切嫌味を感じさせない心温まるお話だった。

お互いを、その人の背景にあるもの、地位・名誉・権力、そういった物を全て抜きにして認め信用できる人というのは
そうそう簡単に出来るものではないだろう。
だからこそ、そういった人が自分の目の前に現れた時に人生というのは大きく変わるのかもしれない。